190キロの巨体を揺らし、軽快な動きで次々にボケをたたみかける。一度見たら忘れられないコント漫才が武器の「ママタルト」(2016年結成、サンミュージックプロダクション所属)が、M―1グランプリで初の決勝進出を決めた。2人には、漫才に欠かせない「人生のバイブル」があるらしい。12月22日の頂上決戦を前に、漫才論を語ってもらった。
――決勝まで1週間を切りました。
大鶴肥満 最高の漫才をしようということで、ライブの時から一挙手一投足の労を惜しまず、完璧にネタを調整しています。調整というとお客さんに失礼ですけど。
檜原(ひわら)洋平 してねえだろ。全然してないですよ。かなり浮足立ってるというか、そわそわしちゃって。決勝のネタをライブでやればいいのに、話のつかみから脇道にそれちゃって。地に足がついてない感じです。
――もし優勝すれば、所属事務所では初めての王者になります。
檜原 (メイプル超合金の)安藤なつさんやぺこぱさんから、「頑張ってね」「出番順が良くなるように祈ってるよ」と声をかけてもらいました。3番目にやりたいですね。
大鶴 僕は4番目って言おうとしました。でも3番だったら(最終決戦に進める上位3組の)暫定席に入れますもんね。
――おふたりと言えば、テレビ番組の企画で漫才協会に入会したことが印象深いです。
檜原 これまでライブハウスでは、10~20代の人を相手にネタをやってばかりだったんです。世の中、ネタの幅は広いということを体で感じさせてもらっています。視野がすごく広がりましたね。
大鶴 僕は結構(浅草の演芸場)東洋館が好きです。ネタ終わりに(相方の)ひわちゃんが渋い顔をすることがあって。「どうした?」って聞いたら「あれやな、むかつくな」と一言。うけない時が悔しすぎるんです。でも、むかつくってことは漫才と真摯(しんし)に向き合ってるということ。おじいちゃんやおばあちゃんを笑かせることを、諦めてないってことなんです。
――決勝の審査員9人が発表されました。ぜひ見てほしい人がいるそうですね。
大鶴 普段、ひわちゃんがネ…